2021年11月17日
アメリカ、イギリスの運転免許証
運転免許証 IDカード
2022/10/26 NY免許証の情報追加
●欧米の身分証、運転免許証について●
※当方は欧米の運転免許証を持っておらず、調べた簡易まとめであることを断っておきます。
アメリカでは16歳※から運転免許を取得できる。
免許証は各州政府のDMV(Department of Motor Vehicles)で管理されていて、州ごとにそれぞれの特色あるデザインのものが発行される。
(※州により法律や規定が異なる)
各州により独自のデザインで発行される運転免許証
(左が表側の通常印刷、その右は偽造防止用の紫外線発光印刷の図柄)
●種類●
運転免許証には種類があり、まず大きく分けて21歳未満と21歳以上用の二種類がある。
未成年用が縦型で、成人用が横型のデザインになっている。
カリフォルニア州の運転免許証(ひとつ前の旧デザイン)
21歳未満と21歳以上の種類の広報画像
年齢で分かれているのは未成年の身分証として、瞬間的に判別できる役割があるのかと推測する。また古い手口として誕生日を書き換えて大人を装うというのがあるが、形式が異なればそれも通用しない。
アメリカではアルコールを買うときやクラブに入店する際に、未成年の判別を行う事がよくある。
次いで、通常の『スタンダード』、権限を拡大した『エンハンスド』、そして近年新しくできた規格として『Real ID』というものがある。
運転免許証のバリエーション(ニューヨーク州)
・スタンダード
標準の最低限の身分証明であり、州内での身分証明として、将来的には州により2020~2023年以降「国内線への搭乗を含む、越境目的では受け入れられない」とある。
オンラインまたは郵送で更新できる簡易手続きの身分証。
・エンハンスド
追加料金により、証明書としての応用範囲を広げる身分証。
カナダやメキシコ、カリブ海諸国などに入国の際に身分証明に使用できる。
ただし、取得できるのはアメリカ市民のみ。
・Real ID
アメリカ市民の他に永住者や合法的に資格証明できる者に発行できる。
国内線への搭乗を含む、すべての要件を満たしている。
ただし、パスポートの代わりとして国境を越えるために使用することはできない。
REAL IDの身分証は国内共通で右上に星マークが記載される。
※これらの条件はニューヨーク州の運転免許証の解説を参考にしている。
●偽造防止加工●
運転免許証は身元証明としてあらゆる場面で使われるため、偽造も多い。
そのため紙幣と同じくらいの偽造防止加工が施されている。
・偽造防止模様(モアレ線)
カード全面に複雑で細かい線状の模様が描かれ、顔写真や文字の入れ換えを防ぐために、それらの上にも模様が透過している。
・光学ホログラム
同じく顔写真の張り替えという原始的な偽造を防ぐために、写真に割り印が施される。昔の紙製のものはスタンプやエンボススタンパーが多用されたが、現代ではこれらを光学的ホログラムを施したシートを用いることが多い。
レインボー印刷と呼ばれる光学印刷もあるようで、カリフォルニアの割印はホログラムというよりレインボー印刷の可能性がある。
・光学透かし
カードに物理的にパンチ穴を空けることで、光に透かしてみると州のマークが浮かび上がる仕様。
店舗など簡易検査で判別するためにあるもの。
・ブラックライト用紫外線発光印刷(UV発光印刷)
ニューヨーク州のUV印刷(実物)
偽造防止模様として、肉眼では見えない紫外線ライトで発光する印刷が施され、ブラックライトなどを当てることで図柄が浮かび上がる。
・レーザー刻印
レーザー加工により文字の一部が印刷され凹凸ができ、偽造防止や視覚障害者への対応とおもわれる。
IDナンバーや自筆サインなど太字に見える部分がレーザー加工されていると聞いている。
・ゴーストイメージ(正式名称:Secondary Photo)
写真はニューヨーク州の窓型のゴーストイメージ
免許証の顔写真を別人の写真に張り替える古典的な偽造を防ぐために、同じ顔写真を表や裏に白黒で小さく印刷する、通称『ゴーストイメージ』(正式名称:Secondary Photo)
ニューヨークの運転免許証にはカードかくり貫かれて窓が空いており、透明部分に顔写真が印刷されたゴーストイメージが裏表から見える不思議なギミックがある。
光学透かしを兼ねていると考えられる。
現物の写真を見ても、よくわからないため詳細は不明。
カリフォルニア州のものは、通常の白黒印刷で表の右下にひとつと、紫外線発光印刷でも同じ顔写真が印刷される。
これらは各州ごとに独自の図柄やデザインが採用され、合衆国パスポートにも同じような技術が施されている。
●カリフォルニア州のDMV運転免許証●
カリフォルニアは2018年以降新型のREAL ID対応の免許証に更新された。
表側には名前、住所、生年月日、運転時の身体制限※、ドナー提供の意思、自筆サイン、管理番号や発行事務所のコードなどが記載される。
※(運転中に支障となる視力や身体障害等の有無が記号で記載、裏面に詳細が記される)
UV印刷は州を代表するゴールデンゲートブリッジとタワー、それに顔写真のUVイメージ。
左側には持ち主の生年月日も入っている。
●ニューヨーク州の運転免許証●
特徴的なのは透過窓になっているゴーストイメージ。
カリフォルニアに比べると記載情報は少なめ。
右下の窓のそばに持ち主の名前が変わった表示で記され、いくつかの文字がレーザーで盛り上げ印刷のようになっている。
透過窓の部分はカード台地がくり貫かれており、台地で挟まれた透明なプレートに白黒の顔写真が印刷され透けて見える。
これ段差があるから日が経つとゴミが溜まるなぁ、と思っていたら案の定ゴミが溜まった実物の写真が見つかるのだった。
UV印刷は表側の全面に偽造防止模様が入っており、透過窓からも透けて見える。
●ニューヨーク州の運転免許証 新型2022年版●
<2022/10 追記>
2022年春、ニューヨーク州の運転免許証のデザインが10年ぶりにリニューアルされたようだ。新しいカードは基本構成は前のデザインを踏襲しつつ、偽造防止や新機構等が追加され、図柄も少し細かくなった。
2022年3月31日以降に交付される分から順次新型に切り替わっている。
2022年春から更新された新しいデザイン。
左の横型が成人用、右の縦型が21歳未満用
マルチレーザー加工により、写真などが見る角度によって別のものが表示できる等の情報がある。
まだ現役とはいえ、新型の登場により型落ちとなる旧型をレプリカで作成・所持することのハードルが下がる。
個人的には旧型のデザインが斬新で、模様がキリッとして、かっこいいと思っている。
ちなみに昔のケンタッキー州の運転免許証はこんなデザインである。
ん?どこかで見たことあるって?
たぶん気のせいじゃないですか、“どこでも見る顔”だから(笑)
●イギリスのDVLA運転免許証●
イギリスはDVLA運転免許庁(Driver & Vehicle Licensing Agency)が、北アイルランドではDVAが管理、発行している。
EU共通の規格の運転免許証が採用されていて、アメリカほど特殊なギミックは施されていない。
偽造防止模様、光学ホログラム、UVインク印刷などである。
裏面には運転できる車種の一覧が図柄の表になっていて一目瞭然で見易い。
実物のUV写真はあまり写りのいいものが見つからないので、いわゆるフェイクも参考にする。
表側の図柄A
道路の絵柄に4つの花が描かれ、左下には光学ホログラムと同じハンドルとホイールを図案化した免許証のマーク
裏側の図柄A
カードを横断するタイヤの跡、イギリス運転免許庁で用いられる国の紋章が並ぶ
表側の図柄B
英国のグレートブリテン島がユニオンジャックの柄で描かれている
裏側の図柄B
カードを横断するタイヤの跡、ハンドル、信号の図柄がUVで光る
イギリスの免許証の種類にも複数のバリエーションがあるが、これについてはまだ調べているが正直わからないことがある。
図柄の違いは年代なのか、制限のバリエーションの違いなのか、それともフェイク(偽造)の架空の図柄のものが混じっているのか。
UV印刷でも複数のバリエーションがあるのが確認できる。
恐らく上段の図柄Aが実物と同じとおもわれる。
UV図柄は道路やハンドル、タイヤ跡などがストレートに図案化されている。
個人的にはBのユニオン柄のグレートブリテン島のデザインが色味がよく、かっこいいと思う。
●ユーロ圏内の運転免許証●
ちなみに同じユーロ圏の免許証はこんな感じ。
ドイツのEU運転免許証 行政サンプル
ドイツのEU運転免許証 実物
ポーランドのEU運転免許証 サンプル
フィンランドのEU運転免許証 サンプル
当方ではこれらの運転免許証のレプリカを製作しており、ギミックも一部を再現したものを試作しています。
レプリカである以上、見た目や機能のすべてを同じにすることができませんが、必要な遊びには十分な仕様を目指して試作を重ねています。
ご意見や興味のある方はお問い合わせください。
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レプリカIDカード取扱い一覧
https://kamyu408.militaryblog.jp/e969403.html
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2022/10/26 NY免許証の情報追加
●欧米の身分証、運転免許証について●
※当方は欧米の運転免許証を持っておらず、調べた簡易まとめであることを断っておきます。
アメリカでは16歳※から運転免許を取得できる。
免許証は各州政府のDMV(Department of Motor Vehicles)で管理されていて、州ごとにそれぞれの特色あるデザインのものが発行される。
(※州により法律や規定が異なる)
各州により独自のデザインで発行される運転免許証
(左が表側の通常印刷、その右は偽造防止用の紫外線発光印刷の図柄)
●種類●
運転免許証には種類があり、まず大きく分けて21歳未満と21歳以上用の二種類がある。
未成年用が縦型で、成人用が横型のデザインになっている。
カリフォルニア州の運転免許証(ひとつ前の旧デザイン)
21歳未満と21歳以上の種類の広報画像
年齢で分かれているのは未成年の身分証として、瞬間的に判別できる役割があるのかと推測する。また古い手口として誕生日を書き換えて大人を装うというのがあるが、形式が異なればそれも通用しない。
アメリカではアルコールを買うときやクラブに入店する際に、未成年の判別を行う事がよくある。
次いで、通常の『スタンダード』、権限を拡大した『エンハンスド』、そして近年新しくできた規格として『Real ID』というものがある。
運転免許証のバリエーション(ニューヨーク州)
・スタンダード
標準の最低限の身分証明であり、州内での身分証明として、将来的には州により2020~2023年以降「国内線への搭乗を含む、越境目的では受け入れられない」とある。
オンラインまたは郵送で更新できる簡易手続きの身分証。
・エンハンスド
追加料金により、証明書としての応用範囲を広げる身分証。
カナダやメキシコ、カリブ海諸国などに入国の際に身分証明に使用できる。
ただし、取得できるのはアメリカ市民のみ。
・Real ID
アメリカ市民の他に永住者や合法的に資格証明できる者に発行できる。
国内線への搭乗を含む、すべての要件を満たしている。
ただし、パスポートの代わりとして国境を越えるために使用することはできない。
REAL IDの身分証は国内共通で右上に星マークが記載される。
※これらの条件はニューヨーク州の運転免許証の解説を参考にしている。
●偽造防止加工●
運転免許証は身元証明としてあらゆる場面で使われるため、偽造も多い。
そのため紙幣と同じくらいの偽造防止加工が施されている。
・偽造防止模様(モアレ線)
カード全面に複雑で細かい線状の模様が描かれ、顔写真や文字の入れ換えを防ぐために、それらの上にも模様が透過している。
・光学ホログラム
同じく顔写真の張り替えという原始的な偽造を防ぐために、写真に割り印が施される。昔の紙製のものはスタンプやエンボススタンパーが多用されたが、現代ではこれらを光学的ホログラムを施したシートを用いることが多い。
レインボー印刷と呼ばれる光学印刷もあるようで、カリフォルニアの割印はホログラムというよりレインボー印刷の可能性がある。
・光学透かし
カードに物理的にパンチ穴を空けることで、光に透かしてみると州のマークが浮かび上がる仕様。
店舗など簡易検査で判別するためにあるもの。
・ブラックライト用紫外線発光印刷(UV発光印刷)
ニューヨーク州のUV印刷(実物)
偽造防止模様として、肉眼では見えない紫外線ライトで発光する印刷が施され、ブラックライトなどを当てることで図柄が浮かび上がる。
・レーザー刻印
レーザー加工により文字の一部が印刷され凹凸ができ、偽造防止や視覚障害者への対応とおもわれる。
IDナンバーや自筆サインなど太字に見える部分がレーザー加工されていると聞いている。
・ゴーストイメージ(正式名称:Secondary Photo)
写真はニューヨーク州の窓型のゴーストイメージ
免許証の顔写真を別人の写真に張り替える古典的な偽造を防ぐために、同じ顔写真を表や裏に白黒で小さく印刷する、通称『ゴーストイメージ』(正式名称:Secondary Photo)
ニューヨークの運転免許証にはカードかくり貫かれて窓が空いており、透明部分に顔写真が印刷されたゴーストイメージが裏表から見える不思議なギミックがある。
光学透かしを兼ねていると考えられる。
現物の写真を見ても、よくわからないため詳細は不明。
カリフォルニア州のものは、通常の白黒印刷で表の右下にひとつと、紫外線発光印刷でも同じ顔写真が印刷される。
これらは各州ごとに独自の図柄やデザインが採用され、合衆国パスポートにも同じような技術が施されている。
●カリフォルニア州のDMV運転免許証●
カリフォルニアは2018年以降新型のREAL ID対応の免許証に更新された。
表側には名前、住所、生年月日、運転時の身体制限※、ドナー提供の意思、自筆サイン、管理番号や発行事務所のコードなどが記載される。
※(運転中に支障となる視力や身体障害等の有無が記号で記載、裏面に詳細が記される)
UV印刷は州を代表するゴールデンゲートブリッジとタワー、それに顔写真のUVイメージ。
左側には持ち主の生年月日も入っている。
●ニューヨーク州の運転免許証●
特徴的なのは透過窓になっているゴーストイメージ。
カリフォルニアに比べると記載情報は少なめ。
右下の窓のそばに持ち主の名前が変わった表示で記され、いくつかの文字がレーザーで盛り上げ印刷のようになっている。
透過窓の部分はカード台地がくり貫かれており、台地で挟まれた透明なプレートに白黒の顔写真が印刷され透けて見える。
これ段差があるから日が経つとゴミが溜まるなぁ、と思っていたら案の定ゴミが溜まった実物の写真が見つかるのだった。
UV印刷は表側の全面に偽造防止模様が入っており、透過窓からも透けて見える。
●ニューヨーク州の運転免許証 新型2022年版●
<2022/10 追記>
2022年春、ニューヨーク州の運転免許証のデザインが10年ぶりにリニューアルされたようだ。新しいカードは基本構成は前のデザインを踏襲しつつ、偽造防止や新機構等が追加され、図柄も少し細かくなった。
2022年3月31日以降に交付される分から順次新型に切り替わっている。
2022年春から更新された新しいデザイン。
左の横型が成人用、右の縦型が21歳未満用
マルチレーザー加工により、写真などが見る角度によって別のものが表示できる等の情報がある。
まだ現役とはいえ、新型の登場により型落ちとなる旧型をレプリカで作成・所持することのハードルが下がる。
個人的には旧型のデザインが斬新で、模様がキリッとして、かっこいいと思っている。
ちなみに昔のケンタッキー州の運転免許証はこんなデザインである。
ん?どこかで見たことあるって?
たぶん気のせいじゃないですか、“どこでも見る顔”だから(笑)
●イギリスのDVLA運転免許証●
イギリスはDVLA運転免許庁(Driver & Vehicle Licensing Agency)が、北アイルランドではDVAが管理、発行している。
EU共通の規格の運転免許証が採用されていて、アメリカほど特殊なギミックは施されていない。
偽造防止模様、光学ホログラム、UVインク印刷などである。
裏面には運転できる車種の一覧が図柄の表になっていて一目瞭然で見易い。
実物のUV写真はあまり写りのいいものが見つからないので、いわゆるフェイクも参考にする。
表側の図柄A
道路の絵柄に4つの花が描かれ、左下には光学ホログラムと同じハンドルとホイールを図案化した免許証のマーク
裏側の図柄A
カードを横断するタイヤの跡、イギリス運転免許庁で用いられる国の紋章が並ぶ
表側の図柄B
英国のグレートブリテン島がユニオンジャックの柄で描かれている
裏側の図柄B
カードを横断するタイヤの跡、ハンドル、信号の図柄がUVで光る
イギリスの免許証の種類にも複数のバリエーションがあるが、これについてはまだ調べているが正直わからないことがある。
図柄の違いは年代なのか、制限のバリエーションの違いなのか、それともフェイク(偽造)の架空の図柄のものが混じっているのか。
UV印刷でも複数のバリエーションがあるのが確認できる。
恐らく上段の図柄Aが実物と同じとおもわれる。
UV図柄は道路やハンドル、タイヤ跡などがストレートに図案化されている。
個人的にはBのユニオン柄のグレートブリテン島のデザインが色味がよく、かっこいいと思う。
●ユーロ圏内の運転免許証●
ちなみに同じユーロ圏の免許証はこんな感じ。
ドイツのEU運転免許証 行政サンプル
ドイツのEU運転免許証 実物
ポーランドのEU運転免許証 サンプル
フィンランドのEU運転免許証 サンプル
当方ではこれらの運転免許証のレプリカを製作しており、ギミックも一部を再現したものを試作しています。
レプリカである以上、見た目や機能のすべてを同じにすることができませんが、必要な遊びには十分な仕様を目指して試作を重ねています。
ご意見や興味のある方はお問い合わせください。
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レプリカIDカード取扱い一覧
https://kamyu408.militaryblog.jp/e969403.html
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運転免許証レプリカについて
米軍の旧式身分証
FBIの身分証、バッジカードについて
米軍現用の身分証の種類について《軍籍、政府職員》
米軍現用レプリカ身分証 新型《DD2-A/CAC》
レプリカIDカード取扱い一覧
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米軍現用レプリカ身分証 新型《DD2-A/CAC》
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Posted by kamyu [k-25]
at 19:54
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