2019年01月26日
ナイトカモパーカー・ゴージャスカスタム
ナイトカモパーカー★ゴージャス防寒仕様版
初回製作 2015/12

ナイトカモ・パーカー(ナイト・デザート・カモフラージュ)は1991年の湾岸戦争の前にナイトビジョンゴーグル(暗視カメラ)対策用の迷彩柄の防寒パーカーとして採用された特徴的な格子模様の緑色がレトロな味わいがある個性的なアイテム。
近年は特殊部隊がアフガンで使用したり、ミリブロの先輩がカスタムを披露したりと再燃ブームがあった。
基本的な形はM51パーカーと同じスモック形状で、BDUの上に重ね着するオーバーレイヤーサイズ(キルティング生地のライナーも付ける)なので、サイズ表記の1.5倍くらいはある全体に大きいシルエットのため、トレンチコートの感覚で着ると、ライナー(防寒内張り)を付けても、袖や脇をすきま風が通り防寒具としてはうすら寒い。
多くのひとがナイトカモを買っても断念するのは、暖かい時期には生地が暑く、冬には防寒能力がない上に、USスモールサイズでもUSラージくらいの幅があるため、人気があり多く買われるにもかかわらず、すぐに手放したり、着ているひとが少ない所以かもしれない。
ビジュアルだけで気に入って、これから買うという人はその点を理解した方がよい。

袖口にゴムの入ったスモック形状(割烹着)の袖もダボダボで、普段着としての使い勝手はよくない。
それらの点を改良するため、裾丈を切り詰めたショートカスタムと同時に以下の改良を加えた “モダンカスタム” を製作。
・前面のオーバースルーポケットの裏打ちで実用ポケット化
・前見頃にファスナーを追加
・袖をスリム化して、袖口をフラップで調節
・肩にベルクロ付ポケットを新造
・ライナー用のボタンを付け直してM65ライナーが着脱できる仕様に
詳細は下記リンク記事にて

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ナイトカモパーカー モダンショートカスタム
https://kamyu408.militaryblog.jp/e852489.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そしてこのモダンカスタムにさらにM65のライナーとフードファーを追加して、N2bに似たデッキパーカーのようなゴージャス仕様を試作してみた。

●フードの内ボア追加●
きっかけは生地屋でオリーブグリーンのボア生地を見つけたことだった。
以前に軍用パーカーのライナーのキルティング生地の切れ端が売られているのを見つけたことがあり、それと同じく実物ミリタリーとそっくりのボア生地の切れ端が切り布のワゴンにわずかに並んでいた。
60cmほどのゴワッとしたボアのアクリル生地で、80年代のイギリス軍の防寒帽の裏地に似ている。
まずはそれをフードの裏打ちにする。

フードの形状に合わせて造形。
最初の草案では裏打ちもボタンやマジックテープで脱着式にしようと思ったが、ボア生地がアクリルのニットなので強度が不安視され、フード全体があまりにもゴチャつくし厚みができてしまうので却下して縫い付けることにした。
製作当時、ファーとボアを安全ピンで仮止めしただけの状態で着て出掛けるなど、結構長い期間トライアルしていたのが懐かしい。たぶんひと冬は越したはず。
ボア生地の端は秋冬物らしく肌触りの柔らかなスエード調の色味のきれいなパイピングで補強。

ファーを着脱式にするので、YKKのパイルファスナーも付けた。

フードの折り返しとファスナー、ボア生地、パイピングとひと所に重ねると結構な厚みで位置合わせや立体的構造など、クローズドポジションをコンパクトミシンでで縫うのが手間だった。
(そうである。これらのカスタムはすべてこのおもちゃのような小型家庭用ミシンで工作しているのだ!?)

●フードに追加するファー襟の作成●
フェイクファーを扱うのはこれが初めてだった。
だが、この着脱式ファーのネタは民製品ファッションの上着に付属していた着脱式のファー襟をナイトカモのフードに取り付けてどういう風になるか試したのが原点だ。
同じ規格のYKKパイル・ブレイクファスナーを仮止めし、ファーを付けてワンシーズン過ごした。
およそ問題もなく、見映えも使用感もよかったので、アクリルファーのテープを買ってきて実際に製作し始める。

上から三つ目が民製品のファー襟。これを模してファー襟を作成するが、このサイズではナイトカモには短いのでフードの長さに合わせて再現する。
アクリルファーは同じ製品で色柄の異なる商品が何種類かあるが、同じものでも色の違いで生地の張りや固さが異なるので、フォックス柄のファーは固く仕上がってしまったので、自分用にする。
画像のゴールドファーはふわふわ柔らかいが、染めが入ったフォックス風の方は少し張りがあって毛がツルツルしている。
どちらも参考にしたファーより生地が肉厚だ。

ファスナーと台地を裏から縫って折り返して閉じる。
台地は節約して拵えた余り生地を繋ぎ合わせて調達した。

中に綿は入れていないが程よく膨らんでモコモコした感触に。
中綿を入れるともっと膨らむかもしれないが、ごわごわになってフードや襟元が不便になる可能性もある。

●スルーポケットの改良●
ナイトカモパーカーのポケットは、BDUのポケットにアクセスできるよう内袋の無いスルーポケットになっている。
ここからも隙間風が入るのでポケットの裏貼りをしてポケット化する定番加工だが、そこにひと手間加える。

ポケットの内側にファー生地を貼り、肌触りを良くし、ポケット内を暖かくする。

通常のブラウンボアと、薄い水色のプレミアムボア・ラビットファーの生地を使ったが、プレミアムの方はツルツルの触感が心地よいが、ひんやりしているので真冬だと最初は少し冷たいかもしれない。
どちらも毛布にくるまれたような感触である。真冬にホットの缶飲料やミニペットボトルを入れるとホカホカで保温性も高い。
厚みが増えたぶん、シルエットが少し膨らんで見える。
●襟のタブ●

襟は立てて閉じれるようにタブを追加したが、カスタムでは使わずに余っっていたフードの紐をループタブにして付けたので、手袋をしてても開け締めがやりやすい。
(これまで十数着のナイトカモを見てきたが、この襟のサイズや形、縫製の仕方はどれも異なる)

襟を閉じるとフードが襟巻きのようになる今時仕様。
アクリルファーなのでそのまま洗濯も可能だと思うが、着脱式だと干すのも楽だしファーをいくつか作って付け替えもできる。
ヒョウ柄やホルスタインも売ってたので、面白いかもしれない。

この仕様はわずか2着しか作れなかった。
退色した古着を使った試作は自分で使っているが、もうひとつのデッド品で作ったものは大切なひとへの敬意の証に。

2019/1/26
初回製作 2015/12

ナイトカモ・パーカー(ナイト・デザート・カモフラージュ)は1991年の湾岸戦争の前にナイトビジョンゴーグル(暗視カメラ)対策用の迷彩柄の防寒パーカーとして採用された特徴的な格子模様の緑色がレトロな味わいがある個性的なアイテム。
近年は特殊部隊がアフガンで使用したり、ミリブロの先輩がカスタムを披露したりと再燃ブームがあった。
基本的な形はM51パーカーと同じスモック形状で、BDUの上に重ね着するオーバーレイヤーサイズ(キルティング生地のライナーも付ける)なので、サイズ表記の1.5倍くらいはある全体に大きいシルエットのため、トレンチコートの感覚で着ると、ライナー(防寒内張り)を付けても、袖や脇をすきま風が通り防寒具としてはうすら寒い。
多くのひとがナイトカモを買っても断念するのは、暖かい時期には生地が暑く、冬には防寒能力がない上に、USスモールサイズでもUSラージくらいの幅があるため、人気があり多く買われるにもかかわらず、すぐに手放したり、着ているひとが少ない所以かもしれない。
ビジュアルだけで気に入って、これから買うという人はその点を理解した方がよい。
袖口にゴムの入ったスモック形状(割烹着)の袖もダボダボで、普段着としての使い勝手はよくない。
それらの点を改良するため、裾丈を切り詰めたショートカスタムと同時に以下の改良を加えた “モダンカスタム” を製作。
・前面のオーバースルーポケットの裏打ちで実用ポケット化
・前見頃にファスナーを追加
・袖をスリム化して、袖口をフラップで調節
・肩にベルクロ付ポケットを新造
・ライナー用のボタンを付け直してM65ライナーが着脱できる仕様に
詳細は下記リンク記事にて

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ナイトカモパーカー モダンショートカスタム
https://kamyu408.militaryblog.jp/e852489.html
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そしてこのモダンカスタムにさらにM65のライナーとフードファーを追加して、N2bに似たデッキパーカーのようなゴージャス仕様を試作してみた。

●フードの内ボア追加●
きっかけは生地屋でオリーブグリーンのボア生地を見つけたことだった。
以前に軍用パーカーのライナーのキルティング生地の切れ端が売られているのを見つけたことがあり、それと同じく実物ミリタリーとそっくりのボア生地の切れ端が切り布のワゴンにわずかに並んでいた。
60cmほどのゴワッとしたボアのアクリル生地で、80年代のイギリス軍の防寒帽の裏地に似ている。
まずはそれをフードの裏打ちにする。

フードの形状に合わせて造形。
最初の草案では裏打ちもボタンやマジックテープで脱着式にしようと思ったが、ボア生地がアクリルのニットなので強度が不安視され、フード全体があまりにもゴチャつくし厚みができてしまうので却下して縫い付けることにした。
製作当時、ファーとボアを安全ピンで仮止めしただけの状態で着て出掛けるなど、結構長い期間トライアルしていたのが懐かしい。たぶんひと冬は越したはず。
ボア生地の端は秋冬物らしく肌触りの柔らかなスエード調の色味のきれいなパイピングで補強。

ファーを着脱式にするので、YKKのパイルファスナーも付けた。

フードの折り返しとファスナー、ボア生地、パイピングとひと所に重ねると結構な厚みで位置合わせや立体的構造など、クローズドポジションをコンパクトミシンでで縫うのが手間だった。
(そうである。これらのカスタムはすべてこのおもちゃのような小型家庭用ミシンで工作しているのだ!?)
●フードに追加するファー襟の作成●
フェイクファーを扱うのはこれが初めてだった。
だが、この着脱式ファーのネタは民製品ファッションの上着に付属していた着脱式のファー襟をナイトカモのフードに取り付けてどういう風になるか試したのが原点だ。
同じ規格のYKKパイル・ブレイクファスナーを仮止めし、ファーを付けてワンシーズン過ごした。
およそ問題もなく、見映えも使用感もよかったので、アクリルファーのテープを買ってきて実際に製作し始める。
上から三つ目が民製品のファー襟。これを模してファー襟を作成するが、このサイズではナイトカモには短いのでフードの長さに合わせて再現する。
アクリルファーは同じ製品で色柄の異なる商品が何種類かあるが、同じものでも色の違いで生地の張りや固さが異なるので、フォックス柄のファーは固く仕上がってしまったので、自分用にする。
画像のゴールドファーはふわふわ柔らかいが、染めが入ったフォックス風の方は少し張りがあって毛がツルツルしている。
どちらも参考にしたファーより生地が肉厚だ。

ファスナーと台地を裏から縫って折り返して閉じる。
台地は節約して拵えた余り生地を繋ぎ合わせて調達した。

中に綿は入れていないが程よく膨らんでモコモコした感触に。
中綿を入れるともっと膨らむかもしれないが、ごわごわになってフードや襟元が不便になる可能性もある。

●スルーポケットの改良●
ナイトカモパーカーのポケットは、BDUのポケットにアクセスできるよう内袋の無いスルーポケットになっている。
ここからも隙間風が入るのでポケットの裏貼りをしてポケット化する定番加工だが、そこにひと手間加える。
ポケットの内側にファー生地を貼り、肌触りを良くし、ポケット内を暖かくする。

通常のブラウンボアと、薄い水色のプレミアムボア・ラビットファーの生地を使ったが、プレミアムの方はツルツルの触感が心地よいが、ひんやりしているので真冬だと最初は少し冷たいかもしれない。
どちらも毛布にくるまれたような感触である。真冬にホットの缶飲料やミニペットボトルを入れるとホカホカで保温性も高い。
厚みが増えたぶん、シルエットが少し膨らんで見える。
●襟のタブ●

襟は立てて閉じれるようにタブを追加したが、カスタムでは使わずに余っっていたフードの紐をループタブにして付けたので、手袋をしてても開け締めがやりやすい。
(これまで十数着のナイトカモを見てきたが、この襟のサイズや形、縫製の仕方はどれも異なる)

襟を閉じるとフードが襟巻きのようになる今時仕様。
アクリルファーなのでそのまま洗濯も可能だと思うが、着脱式だと干すのも楽だしファーをいくつか作って付け替えもできる。
ヒョウ柄やホルスタインも売ってたので、面白いかもしれない。

この仕様はわずか2着しか作れなかった。
退色した古着を使った試作は自分で使っているが、もうひとつのデッド品で作ったものは大切なひとへの敬意の証に。

2019/1/26
2017年05月19日
ナイトカモパーカーモダンカスタム
ナイトカモパーカー★ショートカスタム
初回製作 2013/11

元々は友人からの「ナイトカモが大振りなのでショート化できないか?」という依頼から始まった。
カスタムの内容は、元々のパーカーが重ね着設計でUS-Smallでも大きいため、US-XSサイズの友人に合わせて丈のショート化、袖のスリム化、それと肩にベルクロ付きポケットの新造という内容。

オーダーはある程度ざっくりして自由裁量だったので、テーマを2002年以降のアフガン・イラク戦当時のカスタムテーラーっぽい想定で、あまりカスタムし過ぎないシンプルなモダン・スペシャルフォース風にして、細部はこちらで詰めた。
このカスタムの特徴は、ナイトカモの緑色に対して少し古めかしい印象のある黒いベルクロを使用する。

BDU型の立体ポケットはイチから新造し、フラップはコンシャツと同じく角を落とした形状で、右肩だけにフラッグ用ベルクロを追加してアシンメトリーにすることで後付けの非公式感を演出。

肩ポケットのフラップはボタン留めの必要がないので、これも近代化としてベルクロ留めに変更。

袖口を2000年以降のBDUと同じく幅広にして、ホームベース型調整用タブつき。袖口はミルスペックのベルクロでは硬くてわずらわしいので民生品マジックテープを使用。
(2000年以前のBDU は袖口の折り返し幅が1インチほどと狭かった)

フロントはファスナーを追加して着脱をしやすく、身ごろのスルーポケットに内袋をつけてポケットとして利用できるように。

ファスナーにはヨーロッパスタイルのパーカーやジャケットにあるファスナータブ(つまみ)を採用。これがあるだけでファスナーをかけるのが格段にやり易くなる。

そのポケット内には調整用の腰ひもの端を出してコードロックを追加し、ウェストを絞れるように改良。
ナイトカモパーカー用ライナーは製作当時レアだったし、ショート化したら使えないので、M65フィールドジャケット用ライナーを着脱できるようにボタン配置を付け替えた。
これが今作の一番のセールス・メリット。

ボタンを縫い付ける糸は紳士服テーラーに倣ってロウ引きしたものを巻き縫いしているので、そう簡単に切れたり取り替える必要はない。今までこれと同じやり方で付けたボタンはほつれたことがない。
また、ナイトカモは生地の個体差が激しく、同じメーカーの同時期デッドストックの未使用品でも色と模様、それと縫製の雰囲気に差がある。
(一着のなかでも色味の異なる生地が使われているので、これらはリジェクト品の可能性もある)
個人的な感覚では組み合わせると取って付けたように見えるため、よほど同じ色味でもなければ質感の異なる生地をミックスはしたくない。

1着からはたったこれだけしか資源が採集できない。

そのため生地は使い回ししづらく、創作部分にはサイズ制限があるので切り落とした腰から下のわずかな部分だけですべてを賄うため節約する。
その節約の一環を兼ねて、小柄な体格にカッコよく見えるようポケットを一回り小さめに造る。
それでもワッペンがギリギリ入る10cm幅のベルクロにあわせた。

もちろん追加されたポケットは注目されるし、強度や耐久性も必要なので細部までこだわる。
肩ポケット創造は至極 論理的作業であり、事前事後でがらりと印象が変化し、一番楽しい行程でもある。


また、小さな事とはいえ、ポケットのフラップや調整タブなどは、小さいパーツだが目に留まるので柄選びにはこだわって、ただの格子模様だけにならないよう極力配慮している。


なお、スタンダードカスタムに加え、趣味でオプション追加のゴージャス版も2着のみ作ってみた。

秋冬の普段着用として、フードにボア生地とファー襟を追加し、ライナー追加と身頃の気密性を高め、すきま風が寒くて使えないノーマルのナイトカモパーカーを使える防寒具として能力を引き上げた。
一着は試作として自分用に。
もう一着は尊敬してやまない、とある《素敵なひと》への贈り物として。
具体的な製作内容に興味のある方は『ゴージャス版の製作編』へどうぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ナイトカモ・ゴージャス仕様
https://kamyu408.militaryblog.jp/e967152.html
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ズラッと並ぶと壮観である。
2017/5/19
初回製作 2013/11

元々は友人からの「ナイトカモが大振りなのでショート化できないか?」という依頼から始まった。
カスタムの内容は、元々のパーカーが重ね着設計でUS-Smallでも大きいため、US-XSサイズの友人に合わせて丈のショート化、袖のスリム化、それと肩にベルクロ付きポケットの新造という内容。
オーダーはある程度ざっくりして自由裁量だったので、テーマを2002年以降のアフガン・イラク戦当時のカスタムテーラーっぽい想定で、あまりカスタムし過ぎないシンプルなモダン・スペシャルフォース風にして、細部はこちらで詰めた。
このカスタムの特徴は、ナイトカモの緑色に対して少し古めかしい印象のある黒いベルクロを使用する。

BDU型の立体ポケットはイチから新造し、フラップはコンシャツと同じく角を落とした形状で、右肩だけにフラッグ用ベルクロを追加してアシンメトリーにすることで後付けの非公式感を演出。

肩ポケットのフラップはボタン留めの必要がないので、これも近代化としてベルクロ留めに変更。

袖口を2000年以降のBDUと同じく幅広にして、ホームベース型調整用タブつき。袖口はミルスペックのベルクロでは硬くてわずらわしいので民生品マジックテープを使用。
(2000年以前のBDU は袖口の折り返し幅が1インチほどと狭かった)
フロントはファスナーを追加して着脱をしやすく、身ごろのスルーポケットに内袋をつけてポケットとして利用できるように。

ファスナーにはヨーロッパスタイルのパーカーやジャケットにあるファスナータブ(つまみ)を採用。これがあるだけでファスナーをかけるのが格段にやり易くなる。

そのポケット内には調整用の腰ひもの端を出してコードロックを追加し、ウェストを絞れるように改良。
ナイトカモパーカー用ライナーは製作当時レアだったし、ショート化したら使えないので、M65フィールドジャケット用ライナーを着脱できるようにボタン配置を付け替えた。
これが今作の一番のセールス・メリット。
ボタンを縫い付ける糸は紳士服テーラーに倣ってロウ引きしたものを巻き縫いしているので、そう簡単に切れたり取り替える必要はない。今までこれと同じやり方で付けたボタンはほつれたことがない。
また、ナイトカモは生地の個体差が激しく、同じメーカーの同時期デッドストックの未使用品でも色と模様、それと縫製の雰囲気に差がある。
(一着のなかでも色味の異なる生地が使われているので、これらはリジェクト品の可能性もある)
個人的な感覚では組み合わせると取って付けたように見えるため、よほど同じ色味でもなければ質感の異なる生地をミックスはしたくない。

1着からはたったこれだけしか資源が採集できない。
そのため生地は使い回ししづらく、創作部分にはサイズ制限があるので切り落とした腰から下のわずかな部分だけですべてを賄うため節約する。
その節約の一環を兼ねて、小柄な体格にカッコよく見えるようポケットを一回り小さめに造る。
それでもワッペンがギリギリ入る10cm幅のベルクロにあわせた。

もちろん追加されたポケットは注目されるし、強度や耐久性も必要なので細部までこだわる。
肩ポケット創造は至極 論理的作業であり、事前事後でがらりと印象が変化し、一番楽しい行程でもある。


また、小さな事とはいえ、ポケットのフラップや調整タブなどは、小さいパーツだが目に留まるので柄選びにはこだわって、ただの格子模様だけにならないよう極力配慮している。

なお、スタンダードカスタムに加え、趣味でオプション追加のゴージャス版も2着のみ作ってみた。

秋冬の普段着用として、フードにボア生地とファー襟を追加し、ライナー追加と身頃の気密性を高め、すきま風が寒くて使えないノーマルのナイトカモパーカーを使える防寒具として能力を引き上げた。
一着は試作として自分用に。
もう一着は尊敬してやまない、とある《素敵なひと》への贈り物として。
具体的な製作内容に興味のある方は『ゴージャス版の製作編』へどうぞ。
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ナイトカモ・ゴージャス仕様
https://kamyu408.militaryblog.jp/e967152.html
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ズラッと並ぶと壮観である。
2017/5/19
2017年05月09日
MASSIFコンバットシャツの小カスタム
MASSIF製コンバットシャツの丸襟を改良するアイデア
2012/11/17 過去ネタの記事化


MASSIF製コンバットシャツ
アウトドアファッションでモダナイズされたスポーティーなアーミー・コンバットシャツ。総称してACS。

全体的に薄くニット素材で体にフィットしコンシャツの中でも通気性があるほうだ。
とても着心地が良いので気に入っている!(当時は上位だった)
肘にはクッションの入った、滑り止めのぶつぶつの付いた強化布地がある。ここが少しヒジに干渉してしまう。
でも首が狭いので着脱が不便。それに着まわしてると首が伸びてしまいそうなんで、ちょいと加工を考えた。

英軍のUBACSや米海兵のFROGのコンバットシャツの襟には前開きファスナーがついている。
あんなふうにしてもいいが、やはりMASSIF-ACSなのだから、その特徴を残したいと思ったので、ファスナーを目立たない位置につけることにした。
●工程としてはこうなる予定●
1:合わせ目のステッチににハサミを入れ、突き当たりはY字に切れ込みを入れる
2:ほつれ部分の合わせ布を整える
3:ふちを1mmほど折り返す
4:ファスナーを必要な長さに合わせて切っておく
5:きっちり位置合わせをして縫いつける
6:ファスナー端に当て布をして縫いつける
7:補強のためファスナー周囲を2重縫いしておく
ちょうど右肩後ろにラグランスリーブ(首もとから袖口までが繋がった形状の袖)と首周りの合わせ目のステッチがあるので、そこにフラットファスナーYKKをつけることにした。
長さは人それぞれでおよそ適当だけど、自分の場合は『サイズS』のシャツでファスナー長は約16cmだ。市販の20cmをそのまま使ってもいいが、自分の好みではバランスと必要な長さから、ちょい短めが良いという感触のため根元側を4cmカットした。

よく見ると肩のステッチは襟のてっぺんに向かって若干カーブしているので、実際には直線のファスナーをつけると引きつりがあると想像できたが、それはニット地の誤差でカバーしようと考えた。製品の個体差によってはもっとカーブしているかもしれないので、各自で確認されたし。
具体的な方法はステッチの中心にザックリはさみを入れる。こんな時はちゃんと洋裁用はさみを入れないとニット素材で厚みもあるので事務用ハサミなどでは、切り口が綺麗に切れない等、ちょっと障りがあるかもしれません。

で、まっすぐ切ったら、ファスナー下端になるところをY字に切れ込みを入れる。
ちょうど真ん中を切れば、切った元の合わせ目に重ね布になっていた端が入っている。これを抜き出すと3枚あわせが2枚に減るので厚みを減らせる。
次にふちを1mmほどステッチをまるまる折り返すと、おそらくファスナーの合わせ目の歯が見えるギリギリの幅になると思う。
マチバリで固定してファスナーが通るか試して位置を確認すると思ったとおりぴったりだった!
ファスナーはあらかじめ開く方の端を首の端のサイズに合わせて折り返しておく。(矢印)
ファスナーにはハズレ止めのために上下両端にストッパーが備えられているが、今回は閉めた時にスライダーが抜けないように、開く側の端止めを活かして、根元は布地に縫い止めて端末処理するので、根元側を切り落として使用した。

たぶんニット生地をそのままミシンで綺麗に縫うのは大変だから、当たり前だけど仮縫いをした。
ツーことで仮止めのファスナーを閉めて作動確認をしてみたらぴったり収まる!
出来上がりが楽しみでわくわくしてきた。
下の端は突き当たりの三角になった部分を内側に折り込むと直角になり綺麗に見える。
この折り角にはこだわった!

とりあえずミシンで最初の針を入れる。とても緊張するが、大胆さが重要!
ファスナーの厚みがあるので思った位置に針を落とすのが難しい。かなり慎重にゆっくり進む。
上の端処理は折り込んだ生地とファスナーを噛み込ませたりとかちょこちょこやったけど、あまり効果がないと思うので説明はハショリます。たぶん丈夫になるけど首に触れるとこなので当て布をした方がやわらかくていいかも。追加の当て布はしなかった。
ミシンの押さえはファスナー用を使う。
糸はニット用で、細かめの縫い目で直線縫い。ぐるり往復したら、ファスナー外側も縫っておく。

仕上がってきてみると首もとがピシッとしているのに着脱が楽になった。
感触は悪くないが襟の端の内側には当て布をしなかったので固さを感じるが、まったくダメでもない。

2012/11/17 過去ネタの記事化

MASSIF製コンバットシャツ
アウトドアファッションでモダナイズされたスポーティーなアーミー・コンバットシャツ。総称してACS。

全体的に薄くニット素材で体にフィットしコンシャツの中でも通気性があるほうだ。
とても着心地が良いので気に入っている!(当時は上位だった)
肘にはクッションの入った、滑り止めのぶつぶつの付いた強化布地がある。ここが少しヒジに干渉してしまう。
でも首が狭いので着脱が不便。それに着まわしてると首が伸びてしまいそうなんで、ちょいと加工を考えた。
英軍のUBACSや米海兵のFROGのコンバットシャツの襟には前開きファスナーがついている。
あんなふうにしてもいいが、やはりMASSIF-ACSなのだから、その特徴を残したいと思ったので、ファスナーを目立たない位置につけることにした。
●工程としてはこうなる予定●
1:合わせ目のステッチににハサミを入れ、突き当たりはY字に切れ込みを入れる
2:ほつれ部分の合わせ布を整える
3:ふちを1mmほど折り返す
4:ファスナーを必要な長さに合わせて切っておく
5:きっちり位置合わせをして縫いつける
6:ファスナー端に当て布をして縫いつける
7:補強のためファスナー周囲を2重縫いしておく
ちょうど右肩後ろにラグランスリーブ(首もとから袖口までが繋がった形状の袖)と首周りの合わせ目のステッチがあるので、そこにフラットファスナーYKKをつけることにした。
長さは人それぞれでおよそ適当だけど、自分の場合は『サイズS』のシャツでファスナー長は約16cmだ。市販の20cmをそのまま使ってもいいが、自分の好みではバランスと必要な長さから、ちょい短めが良いという感触のため根元側を4cmカットした。
よく見ると肩のステッチは襟のてっぺんに向かって若干カーブしているので、実際には直線のファスナーをつけると引きつりがあると想像できたが、それはニット地の誤差でカバーしようと考えた。製品の個体差によってはもっとカーブしているかもしれないので、各自で確認されたし。
具体的な方法はステッチの中心にザックリはさみを入れる。こんな時はちゃんと洋裁用はさみを入れないとニット素材で厚みもあるので事務用ハサミなどでは、切り口が綺麗に切れない等、ちょっと障りがあるかもしれません。
で、まっすぐ切ったら、ファスナー下端になるところをY字に切れ込みを入れる。
ちょうど真ん中を切れば、切った元の合わせ目に重ね布になっていた端が入っている。これを抜き出すと3枚あわせが2枚に減るので厚みを減らせる。
次にふちを1mmほどステッチをまるまる折り返すと、おそらくファスナーの合わせ目の歯が見えるギリギリの幅になると思う。
マチバリで固定してファスナーが通るか試して位置を確認すると思ったとおりぴったりだった!
ファスナーはあらかじめ開く方の端を首の端のサイズに合わせて折り返しておく。(矢印)
ファスナーにはハズレ止めのために上下両端にストッパーが備えられているが、今回は閉めた時にスライダーが抜けないように、開く側の端止めを活かして、根元は布地に縫い止めて端末処理するので、根元側を切り落として使用した。
たぶんニット生地をそのままミシンで綺麗に縫うのは大変だから、当たり前だけど仮縫いをした。
ツーことで仮止めのファスナーを閉めて作動確認をしてみたらぴったり収まる!
出来上がりが楽しみでわくわくしてきた。
下の端は突き当たりの三角になった部分を内側に折り込むと直角になり綺麗に見える。
この折り角にはこだわった!
とりあえずミシンで最初の針を入れる。とても緊張するが、大胆さが重要!
ファスナーの厚みがあるので思った位置に針を落とすのが難しい。かなり慎重にゆっくり進む。
上の端処理は折り込んだ生地とファスナーを噛み込ませたりとかちょこちょこやったけど、あまり効果がないと思うので説明はハショリます。たぶん丈夫になるけど首に触れるとこなので当て布をした方がやわらかくていいかも。追加の当て布はしなかった。
ミシンの押さえはファスナー用を使う。
糸はニット用で、細かめの縫い目で直線縫い。ぐるり往復したら、ファスナー外側も縫っておく。
仕上がってきてみると首もとがピシッとしているのに着脱が楽になった。
感触は悪くないが襟の端の内側には当て布をしなかったので固さを感じるが、まったくダメでもない。
