2017年05月19日
ナイトカモパーカーモダンカスタム
ナイトカモパーカー★ショートカスタム
初回製作 2013/11
元々は友人からの「ナイトカモが大振りなのでショート化できないか?」という依頼から始まった。
カスタムの内容は、元々のパーカーが重ね着設計でUS-Smallでも大きいため、US-XSサイズの友人に合わせて丈のショート化、袖のスリム化、それと肩にベルクロ付きポケットの新造という内容。
オーダーはある程度ざっくりして自由裁量だったので、テーマを2002年以降のアフガン・イラク戦当時のカスタムテーラーっぽい想定で、あまりカスタムし過ぎないシンプルなモダン・スペシャルフォース風にして、細部はこちらで詰めた。
このカスタムの特徴は、ナイトカモの緑色に対して少し古めかしい印象のある黒いベルクロを使用する。
BDU型の立体ポケットはイチから新造し、フラップはコンシャツと同じく角を落とした形状で、右肩だけにフラッグ用ベルクロを追加してアシンメトリーにすることで後付けの非公式感を演出。
肩ポケットのフラップはボタン留めの必要がないので、これも近代化としてベルクロ留めに変更。
袖口を2000年以降のBDUと同じく幅広にして、ホームベース型調整用タブつき。袖口はミルスペックのベルクロでは硬くてわずらわしいので民生品マジックテープを使用。
(2000年以前のBDU は袖口の折り返し幅が1インチほどと狭かった)
フロントはファスナーを追加して着脱をしやすく、身ごろのスルーポケットに内袋をつけてポケットとして利用できるように。
ファスナーにはヨーロッパスタイルのパーカーやジャケットにあるファスナータブ(つまみ)を採用。これがあるだけでファスナーをかけるのが格段にやり易くなる。
そのポケット内には調整用の腰ひもの端を出してコードロックを追加し、ウェストを絞れるように改良。
ナイトカモパーカー用ライナーは製作当時レアだったし、ショート化したら使えないので、M65フィールドジャケット用ライナーを着脱できるようにボタン配置を付け替えた。
これが今作の一番のセールス・メリット。
ボタンを縫い付ける糸は紳士服テーラーに倣ってロウ引きしたものを巻き縫いしているので、そう簡単に切れたり取り替える必要はない。今までこれと同じやり方で付けたボタンはほつれたことがない。
また、ナイトカモは生地の個体差が激しく、同じメーカーの同時期デッドストックの未使用品でも色と模様、それと縫製の雰囲気に差がある。
(一着のなかでも色味の異なる生地が使われているので、これらはリジェクト品の可能性もある)
個人的な感覚では組み合わせると取って付けたように見えるため、よほど同じ色味でもなければ質感の異なる生地をミックスはしたくない。
1着からはたったこれだけしか資源が採集できない。
そのため生地は使い回ししづらく、創作部分にはサイズ制限があるので切り落とした腰から下のわずかな部分だけですべてを賄うため節約する。
その節約の一環を兼ねて、小柄な体格にカッコよく見えるようポケットを一回り小さめに造る。
それでもワッペンがギリギリ入る10cm幅のベルクロにあわせた。
もちろん追加されたポケットは注目されるし、強度や耐久性も必要なので細部までこだわる。
肩ポケット創造は至極 論理的作業であり、事前事後でがらりと印象が変化し、一番楽しい行程でもある。
また、小さな事とはいえ、ポケットのフラップや調整タブなどは、小さいパーツだが目に留まるので柄選びにはこだわって、ただの格子模様だけにならないよう極力配慮している。
なお、スタンダードカスタムに加え、趣味でオプション追加のゴージャス版も2着のみ作ってみた。
秋冬の普段着用として、フードにボア生地とファー襟を追加し、ライナー追加と身頃の気密性を高め、すきま風が寒くて使えないノーマルのナイトカモパーカーを使える防寒具として能力を引き上げた。
一着は試作として自分用に。
もう一着は尊敬してやまない、とある《素敵なひと》への贈り物として。
具体的な製作内容に興味のある方は『ゴージャス版の製作編』へどうぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ナイトカモ・ゴージャス仕様
https://kamyu408.militaryblog.jp/e967152.html
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ズラッと並ぶと壮観である。
2017/5/19
初回製作 2013/11
元々は友人からの「ナイトカモが大振りなのでショート化できないか?」という依頼から始まった。
カスタムの内容は、元々のパーカーが重ね着設計でUS-Smallでも大きいため、US-XSサイズの友人に合わせて丈のショート化、袖のスリム化、それと肩にベルクロ付きポケットの新造という内容。
オーダーはある程度ざっくりして自由裁量だったので、テーマを2002年以降のアフガン・イラク戦当時のカスタムテーラーっぽい想定で、あまりカスタムし過ぎないシンプルなモダン・スペシャルフォース風にして、細部はこちらで詰めた。
このカスタムの特徴は、ナイトカモの緑色に対して少し古めかしい印象のある黒いベルクロを使用する。
BDU型の立体ポケットはイチから新造し、フラップはコンシャツと同じく角を落とした形状で、右肩だけにフラッグ用ベルクロを追加してアシンメトリーにすることで後付けの非公式感を演出。
肩ポケットのフラップはボタン留めの必要がないので、これも近代化としてベルクロ留めに変更。
袖口を2000年以降のBDUと同じく幅広にして、ホームベース型調整用タブつき。袖口はミルスペックのベルクロでは硬くてわずらわしいので民生品マジックテープを使用。
(2000年以前のBDU は袖口の折り返し幅が1インチほどと狭かった)
フロントはファスナーを追加して着脱をしやすく、身ごろのスルーポケットに内袋をつけてポケットとして利用できるように。
ファスナーにはヨーロッパスタイルのパーカーやジャケットにあるファスナータブ(つまみ)を採用。これがあるだけでファスナーをかけるのが格段にやり易くなる。
そのポケット内には調整用の腰ひもの端を出してコードロックを追加し、ウェストを絞れるように改良。
ナイトカモパーカー用ライナーは製作当時レアだったし、ショート化したら使えないので、M65フィールドジャケット用ライナーを着脱できるようにボタン配置を付け替えた。
これが今作の一番のセールス・メリット。
ボタンを縫い付ける糸は紳士服テーラーに倣ってロウ引きしたものを巻き縫いしているので、そう簡単に切れたり取り替える必要はない。今までこれと同じやり方で付けたボタンはほつれたことがない。
また、ナイトカモは生地の個体差が激しく、同じメーカーの同時期デッドストックの未使用品でも色と模様、それと縫製の雰囲気に差がある。
(一着のなかでも色味の異なる生地が使われているので、これらはリジェクト品の可能性もある)
個人的な感覚では組み合わせると取って付けたように見えるため、よほど同じ色味でもなければ質感の異なる生地をミックスはしたくない。
1着からはたったこれだけしか資源が採集できない。
そのため生地は使い回ししづらく、創作部分にはサイズ制限があるので切り落とした腰から下のわずかな部分だけですべてを賄うため節約する。
その節約の一環を兼ねて、小柄な体格にカッコよく見えるようポケットを一回り小さめに造る。
それでもワッペンがギリギリ入る10cm幅のベルクロにあわせた。
もちろん追加されたポケットは注目されるし、強度や耐久性も必要なので細部までこだわる。
肩ポケット創造は至極 論理的作業であり、事前事後でがらりと印象が変化し、一番楽しい行程でもある。
また、小さな事とはいえ、ポケットのフラップや調整タブなどは、小さいパーツだが目に留まるので柄選びにはこだわって、ただの格子模様だけにならないよう極力配慮している。
なお、スタンダードカスタムに加え、趣味でオプション追加のゴージャス版も2着のみ作ってみた。
秋冬の普段着用として、フードにボア生地とファー襟を追加し、ライナー追加と身頃の気密性を高め、すきま風が寒くて使えないノーマルのナイトカモパーカーを使える防寒具として能力を引き上げた。
一着は試作として自分用に。
もう一着は尊敬してやまない、とある《素敵なひと》への贈り物として。
具体的な製作内容に興味のある方は『ゴージャス版の製作編』へどうぞ。
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ナイトカモ・ゴージャス仕様
https://kamyu408.militaryblog.jp/e967152.html
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ズラッと並ぶと壮観である。
2017/5/19
返信は頂けないものと思ってコメントしたします。
DIYにて同型のナイトカモパーカーを、
紺色に染色したいと思ってます。
染色後に縫製糸の染め残りは避けたいと思ってます。
ご記憶がおありでしたら、
縫製糸を教えて頂けます助かります。
よろしくお願いします。
染色については条件が色々あると思いますので、当方の作例からお話しします。
当ブログのナイトカモは実物のパーカーで、カスタム材料は民製品を用いてます。
服はタグによると綿ナイロン50%混紡、カスタムに用いる縫い糸は一般衣料用のポリエステルミシン糸で、これは染まりにくく色落ちしにくいので染色には専用の機材や設備が必要とされます。
当方ではミルスペックほど強度を必要としていないので使わない高価なナイロン糸は、比較的低温(100度)でも染色できるとされます。
実物はというと生地はコットンナイロンで、布を繋いでいるステッチ糸は見たところナイロンのように思います。正解を確かめるには透過顕微鏡などが必要なので確証はありません。
(※レプリカや民製ナイトカモの生地は、別の化繊のものもあり)
実際に使う染料や工程によって異なるので、どうなるかわかりませんが、生地とステッチ糸では染まり方の違いは出ると思われます。
後染めでよく見るような浮いた感じでしょうか。暗色の糸であればさほど気にならないかと。
当方以外の作例ですと、何の糸を使われるか各々でしょうから、通常のミシン糸が使われていれば、まず染まらないと考えるべきかと。
当方のカスタムは数着のみ出回っていますが、そうそう出会えないのではないかと。
2024/4/20
返信いただけ感激しております。
確実ではなくてもナイロン糸だろう言うことで安心しました。
ありがとうございました。